一日白熱した第26回バルトラ大会の閉会式は、意外と静かに、スムーズに執り行われて終わった。多分主催側も観客も騒ぎすぎて疲れてしまっていたのだろう。毎年こんな感じなのだという。勝った者も負けた者も変わらず参加した選手の健闘を称えて、夜が更けるまでゆっくりと酌を交わすのが村の男たちの楽しみなのだとか。一部はそのまま朝まで飲み倒す事になるのだろう。今なお熱中した大会の余韻が残ったまま、夕焼けの中を村人たちはそれぞれ自分たちの家へと帰っていく。
今年は面白い大会だったと満足げな表情はしかし、村人たちだけのものである。一番このバルトラ大会を頑張った旅人達は一様に何故か、沈んだ顔をしていたのだ。微妙そうな顔をしているマツバやソディだけでなく、優勝したはずのハル達の表情もまた冴えない。先ほど代表して表彰式にて優勝賞品を受け取ったハルが、その賞品を手に持ち眺めたままカエデに尋ねる。

「カエデ、最初この村に来たときに読んだ、大会の看板に書いてあった内容、まだ覚えてるか?」
「うん」
「それの、優勝賞品の部分をもう一回言ってみてくれ」

頷いたカエデは、最初聞かせてくれた内容をそのまま、やっぱり抑揚のない声ですらすらと読み上げる。

「参加賞はバルトラ地方特産品、コバルトラキイチゴのジャム一瓶♪そしてそして、優勝賞品はなんと!この村に古から伝わる真紅の宝珠!その美しさは人々を魅了し、人類の甘美な願いを叶えてきたと伝えられているほどのお宝なんだぞっ☆今大会史上最高の賞品を手に入れるため!参加お待ちしてまーす♪」

聞き終わって一同、しばらく沈黙。恐る恐る、全員で顔を見合わせる。

「確かに書いてあったよな?宝珠って」
「そのようじゃのう」
「ああ、私もそれは見た。間違いはない。何より今カエデ君が読んでくれた通りだ」
「でもさ、これって俺様の知ってる宝珠とはかけ離れてると思うんだけど」
「かけ離れてるも何も、まったく違いますわ、こんなジャム」

全員の視線の下に晒されているそれは、ハルが手に持つその優勝賞品は、確かに赤かった。丸くもあった。しかし宝珠ではない。丸いビンにぎゅうぎゅうに詰められた、真っ赤なキイチゴジャムそのものだったのだ。一体どういう事だ。ジャムは参加賞の方ではなかったのか?
そこへたまたま、ルトラ村村長が帰宅途中に近くを通りかかり、こちらを見て呑気な声を上げる。

「おお旅の方々、優勝おめでとうございます。そのジャムはこのバルトラ地方に古くから伝わる秘伝の技で作られた特別なキイチゴジャムでしてな、その美しさから真紅の宝珠とも呼ばれているんです。多くは作れず希少なもので、村人ですらめったに食べられるものじゃないんですよ、ははは。この世で一番甘いジャムが食べたいという願いが叶えられるであろう自慢の特産品です、どうぞご堪能ください。それでは私はこれで」

ペラペラと説明して、愉快そうに笑いながら去っていく村長。取り残されたハル達は、何も言えずに無言でその背中を見送るしかなかった。やがて、苦々しい声をハクトが上げる。

「『その美しさは人々を魅了し、人類の甘美な願いを叶えてきたと伝えられているほどのお宝』、か……なるほどのう。確かに見た目美しく、壮絶に甘そうなジャムだわい。こりゃ一本取られたな」
「一本どころじゃねえよ、これ……。だっ騙されたっ……!」
「いや、この大会に騙す意図は一切無かっただろう。我々が勝手に勘違いして、勝手に奮闘しただけの事だ……」

うめくハルに、フォローを入れながらも疲れた顔をするマツバ。ハルは手に持っているそれを今すぐ取り落とすか投げ飛ばすか、とにかく手放してしまいたい気分になった。ので、マツバに差し出してみる。

「……いるか?」
「いや、それは私たちが欲していた宝珠とはまったく違うものだ。それに何であれ、実際に優勝したハル達が持つべきだろう」

断られ、それもそうかと頷く。例え賞品が思っていたものとまったく違うものであっても、これはハル達が力を合わせて勝ち取った優勝の証である。例えそれがジャムでも。ただのジャムでも。
そこでふとハルはカエデを見た。疲れてどこか放心している面々の中、一人だけ状況をよく分かっていなくて普段通りのカエデ。そもそもハルがこの大会に乗り気になったきっかけを、そこで思い出した。正面に立ってジャムの入った丸いビンを差し出すと、緋色の瞳がきょとんと見つめてくる。

「カエデ、これはお前にやるよ」
「えっ。どうして」
「最初に言っただろ、大会に参加したらジャム貰えるって。これはそのジャムだ。しかもそこら辺のジャムよりとびきり美味しいらしいぞ」
「ジャム……!そ、それじゃあ今まで食べたジャムよりこのジャムは美味しいという事か……!そんな、そんな想像も出来ない……そんなジャムを食べたら私はどうなってしまうの……」

手渡されたジャムを見下ろしてうろたえるカエデに癒される。これを見れただけでも頑張った甲斐があったのかもな、と考えるぐらいにはハルも疲れ切っていた。そんな怠惰な空気が漂う輪から立ち直り一番最初に離れたのは、ソディであった。

「まあわたくしとしてはそれほど落胆していませんわ、そこそこ楽しませて頂きましたし。ああ、賭けに負けてしまったのだけは残念でしたわね。ねえハル様?」
「賭け?一体何のことだ」
「な、何でもない!何でもないから!」

訝しむマツバに慌ててハルが首を振る。その間にソディは瑠璃色のナイフをくるくると手で弄びながら、颯爽と歩き出していた。

「今日はさすがに疲れましたし、このまま帰りましょうマツバ。お仕事はまた明日から再開するという事で。それではハル様、その他の皆さん、そしてゴミ、ごきげんよう」
「わーいソディちゃんが去り際にも罵ってくれた!今日一日の苦労を俺様このために生きてきたようなもんだね!」
「お前の人生それでいいのか……」
「そうそう、ハル様。最後に一つだけご忠告して差し上げますわ」

くるりと振り返り、沈みかけた太陽の光を反射させた銀色の髪をなびかせて、ソディは美しく笑う。いつもの底が見えないサディスティックな怪しい笑み。しかし夕焼けの光のせいだろうか、今日はその笑顔の向こうに何か別の感情を隠しているようにハルには見えた。唇を笑みの形に歪めたまま、ソディがちらとハルの隣を見る。そこにいた金髪の男が、一度だけびくりと震えた。

「そこにいる粗大ゴミに気を付けておいた方がよろしいですわ。その男……ハル様が思っている以上に重くて厄介な存在ですから」
「……えっ?」
「捨てるなら早々に打ち捨ててしまう事を推奨いたしますわ。……では」

言いたいことを言った後ソディはこちらを再び振り返ることなくさっさと歩き去ってしまった。思わずあっけにとられて立ち尽くすハル。正直ソディが何を伝えたかったのかは分からなかったが、一体誰の事を言っているのかだけは分かる。そっと首を巡らせると、微かに俯くヘリオの姿が目に入る。地面に向いているせいでほとんど見えないその表情が一瞬、どこか辛そうに歪んでいるような気がして心臓が跳ねる。本当にヘリオがそんな顔をしていたのか、それとも目の錯覚だったのか、確かめる前に別な者の声で止めざるを得なかった。声はマツバのものだった。

「やれやれ、いつもながら訳の分からない事を……。すまないなハル、それに君は確か、ヘリオ君だったか。意味も無くひどい事を言ったりするのはソディの癖みたいなものだ。あまり気にしないでくれ」
「あ、ああ……」
「……大丈夫、ソディちゃんの事は俺様のがずっと良く知ってるから、昔馴染みだし。それよりそういや俺様まだまともに自己紹介もしてないっけ?こんな美人に貴公子たる俺様としたことが失敬失敬!どうだろう、これからお互いの事を語り合うためにも一晩共に過ごすというのは!」
「遠慮する」
「うわー一言でズバっと断られた痺れる!もう少しきつめに下等生物とか汚らわしいから話しかけるなとかもう一声追加するだけでもっと良くなるよ!」
「自己紹介もしない内に変な指導すんな変態!」

マツバに詰め寄るヘリオの頭を、容赦なくハルが叩く。さっき少しでも心配した自分が馬鹿だったと思いながら。近づくヘリオからさりげなく遠ざかりながら、マツバはソディの去った方向を見る。

「さて、私もそろそろ行こうか。あまり遅れると後でソディの奴がうるさいからな」
「ソディ結構な速さで行っちまったけど、追いつくのか?」
「もちろんだ。私にはあれがある」

あれ、と空を指さすマツバ。頭上を見上げても茜色しか見えなかったが、この空のどこかにあの緑色の小柄の竜が飛んで待機しているのだろう。ハルがゴールして人々が沸いている間にマツバは緑の竜を空へと逃がしていたらしい。大会で熱狂していた間ならともかく、普通のテンションの村人が竜の姿を見れば大騒ぎになっていただろう。
ハルは少しためらったが、思い切ってマツバに尋ねかけていた。

「なあマツバ、聞いてもいいか?あの竜の事なんだが」
「ああ……そうだな、君たちは宝珠がどういうものなのか、知っているようだ。ここまで熱く戦った縁もある。それならば、話しても良さそうだな……」
「その口ぶりからすると、まさかあいつって……!」

ごくりと喉を鳴らすハルに一度頷いたマツバは、唐突に自分の胸のあたりに手を入れてまさぐり始めた。何も知らなかった以前のハルなら「懐に何か隠しているのかふーん」と普通に見ていられただろうが、マツバが女性だったと知ってしまった今のハルにとっては心臓に悪い。ドギマギしている間にマツバは目的のものを懐からつかみ出していた。目に入った淡い光に、一瞬で意識が向かう。

「これは……!」
「……そう、宝珠だ。もちろん本物の、な」

マツバの手の上に、ハルが隠し持つ緋の宝珠とまったく同じ大きさの、瑞々しい緑に輝く丸い玉がある。ハルに宝石の類を見分ける術は無いが、目の前の玉が少なくとも普通の玉ではない事はすぐに分かった。何よりその緑の玉は、仄かに光を発しているように見える。元々宝珠はどこか不思議な光を感じるものであったが、それ以上に妖しい光を放っているのだ。
本を読んで静かに後ろに控えていたハクトがちらりと視線を向けて、驚愕したような声を上げた。

「何と、その宝珠光っておるのか……!」
「ハクトさん?」

ハルが振り返ると、見開かれた金色の目と出会うが、すぐに誤魔化すように伏せられてしまう。首を傾げるが、今はマツバの話だ。マツバは様々な思いを込めた視線で手元の宝珠を見つめていた。

「ああ。これは翠の宝珠といってね、私の一族に代々伝わっていたものらしい。今は私が受け継いで、こうやって持ち歩いている。叶えたい願いがある訳じゃ、ないが……持っているだけで便利だからね。あいつもよく私に従ってくれるよ」
「やっぱり、あの竜はマツバの守護騎士って事か……!」

ハクトの言っていた、竜人でも竜でもないという言葉は真実だったのだ。確か守護騎士は、宿主が一番最初に想像した姿で現れるという話だったか。ハルは納得するように一人頷く。

「なるほどな、マツバの守護騎士は竜か」
「ああ。宝珠の守護騎士といえば非常に強力な存在だと伝えられている。私が竜の姿を思い浮かべるのは納得だろう?何せ竜人だからな」
「だよなー、やっぱり竜人なら竜の姿思い浮かべるよなそれじゃ。……えっ?!」

少ししてからハルは驚きに飛び上がる。マツバが女性である事、宝珠の持ち主である事は今本人の口から聞いた。しかし金色の目を持つマツバが実は竜人であることは、まだ聞いていないはずである。そしてマツバもハル達が気づいている事など知らないはずではないか……。
驚くハルの様子がおかしかったのか、マツバは微かに笑った。そうやって微笑む姿も女性ながらどこか凛々しい。

「やっぱり知っていたか。君たちには今回だけで私の正体をほぼ知られてしまったな」
「いや、えっ、何で分かるんだ?!俺たちが、マツバを竜人だって気づいていた事……」
「それは、彼を見れば何となく分かったよ。今までずっと目を隠していたし、少なくともこの子だけは私の正体を知っていて当たり前だろうとね。そうだろう、竜人仲間君?」
「竜人、仲間……?あっ、ハクトさん!」

ハッと振り返る。そうだ、さっき見下ろした時にもハクトのあの金色の瞳がダイレクトに目に映ったではないか。いつの間にかハクトは大会中ずっとつけていたサングラスを外して、素顔を晒していた。不本意そうなその表情を見るに、バルバルレース中のどさくさに紛れて外れてしまったのだろう。幼い金色の目と、鋭い金色の目が、空中で交差する。

「その姿を見るに、白竜人かな。まだ竜化できない年頃のようだな。白竜人は竜人の中でも比較的群れを作らず単独で生きる者も多い種族と聞くが、さすがにその歳では珍しい。一体どうしてハル達と行動を共にしているんだい?」
「……わしにも色々事情があっての。それはそちらも同じことじゃろう緑竜人」
「そう、だな……。違いない」

ハクトとマツバは互いに視線を逸らした。引き結ぶ口元から、両者共に簡単には語れない何かがある事が傍から見てても容易に窺えた。何か口をはさんだ方が良いだろうかとハラハラしながらハルが見守っていると、先にマツバが話を切り出した。やけに真剣な表情だった。

「君は、ハクトという名なんだな」
「……。そうじゃ」
「………」

まるで、見定めるようにハクトを見つめるマツバ。その視線が何故かそんなはずはないのに、殺気立っているようにも見えてハルは驚く。その視線を真正面から浴びているハクトは何も言わずに、静かに全てを受け止めている。思わず伸ばしかけたハルの手に気付いてハッと顔を上げたマツバが、眉を寄せて首の後ろに手を置いた。

「……すまない、その、ハクト君を見ていたら私の探し人を思い出してしまった。変な顔になっていただろう。怖がらせてしまったか?」
「探し人?それって、誰なんだ」
「いや、いいんだ。これは私の問題だ。今はそれより大切な仕事を任されている事だし」
「仕事って……」

ハルの心臓がザッと冷える。脳内には高笑いするソディが思い描かれていた。そんな事はつゆ知らず、マツバは事も無げに答えてくれる。

「とある人に宝珠を集めるよう依頼されていてね。世界中に散らばっているらしく、今回ようやく一つ手に入ると思ったんだが……無駄足だったな。ソディと手分けして探しているが、なかなか見つからないんだ」
「そ、そうか、大変だな、うん」
「願いを叶える力を持った貴重なものだからな。……君たちも宝珠を探して旅をしているのか?私に君たちを止める権利は無いが、見つかった際は出来れば手に取る前に私たちに知らせて欲しいものだが」
「ははは、そ、そうだなー、検討しておくよ」

俺だって手に取る前に知らせてやりたかったよ。とは言えず、乾いた笑いを浮かべる事しか出来ないハル。ふとマツバが空を見上げた。空の色は夕焼けをもう少しで通り越しそうな濃い色に染まっている。薄暗くなっていく中、明瞭な光を放つ金色の瞳がよく目についた。

「すっかり話し込んでしまったな。ソディはもう村の外に出ただろう」
「なら、あの緑の竜に乗るのか。どうやって呼ぶんだ?」
「あれとはもう長いからな、私が来いと頭で思うだけで飛んでくる。便利なものだよ」
「へえ、そりゃ便利だ。そういやあの竜、名前はなんていうんだ?」
「えっ?」
「へ?」

マツバに驚いた顔で見つめられて、ハルも驚く。今何か変なことを言っただろうか?自分の発言を思い出してみるが、どこにも変なところは無かったように思う。

「名前……?」
「え、あ、もしかして名前ないのか、あいつ。呼ぶとき不便じゃないか?あー、心の中で呼べば来るんなら、そうでもないのか」
「いや、確かにそうなんだが……」

ぱちぱちと瞬きするマツバの驚いた顔は、普段の固い表情が崩れて少し幼く、より女性的に見える。もっと表情崩せばいいのになとぼんやり考えていると、戸惑いのままマツバは頬をかいた。

「名前を付ける、なんて、そういう発想自体がなかったな。直接声で呼んだ事はあまり無いし、心の中でも守護騎士とか、宝珠とか、そうやって呼んでいたから」
「そ、そうなのか……守護騎士に名前って付けないもんなのか……?」

もしかして俺は珍しい部類に入るのか、とハルはこっそり考え込む。カエデは名前が無いと不便だからと割とすぐに自然とつけていたから、それこそ名前を付けないという選択肢自体ハルの中に存在していなかった。他の宿主に会った事が無いから統計は計りようもないが、機会があれば聞いていこうと思った。……ソディにも、そういう他愛もない事が聞ける日が来るだろうか。

「名前か……面白いな。何か思いついた時に付けてみるのもいいかもしれない」

マツバはマツバで色々考えたようで、どこか楽しそうに頷いている。その間にも夜は確実に空を染め上げていて、今日はこのままこの村でもう一泊だなとハルは決めていた。ソディを今から追いかけるマツバとはここで別れる事となる。翠の宝珠をきっちり懐に仕舞い込んだマツバが、ソディの去った方向へと踵を返す。

「それじゃあ、私もそろそろこれで。今度こそ、会う事のないように……したい所だが、君は何故かソディに気に入られているようだからね、また会う機会がある気がするよ」
「ああ……何故だか俺もそんな気がする。なるべく特にソディとは絶対に会いたくないけどな」
「ははは、その時は私が止めるから、安心してくれハル」

マツバはそう言ってくれるが、安心できない赤色の玉があるかぎりハルの心労は絶えない。これの存在次第ではマツバにだって命を狙われるかもしれないのだ。絶対に悟られないようにしようと固く決意する。ハルがいくら決意したってソディが喋っちゃえば全て台無しになる訳だが。

「ではさらばだ。……出来れば君たちが、宝珠の魔の魅力に取り付かれることが無いように願うよ。お互いのためにもね」
「?ああ、元気でな」
「ばいばいマツバ」
「またねマツバさん!今度こそソディちゃんと一緒に俺様を愛を持って苛め抜いてね!」
「……達者でな」

皆で(最近ちゃんとカエデも手を振ってバイバイを覚えた)見送る中、華麗に手を振り返したマツバは、キビキビとした足取りで歩み去った。その姿が見えなくなるまでその場に立ち尽くしたハルは、この場にいるのがハル達四人だけになったのを確認して、長い長い溜息を吐く。

「……疲れた……!色んな意味で、疲れた……!」
「うーん、さすがの俺様も今日は沢山ボコボコにしてもらって疲れたわー」
「わしも同じく、色んな意味で疲れたわい……」
「つかれたー」

一人ただハルの真似をしているだけの者もいるが、一通り皆で疲れた疲れたと連呼する。
頭も体も使いに使ったこの第26回バルトラ大会、今ようやく終わりを迎えたようである。

13/11/19



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